車窓の中で跳ねる五線譜

僕が脳裏を表にして書くブログです。難しい文体でごめんなさい。

青風

朽ちてなお朽ちる日々に惚けて生きてきた僕が今巣から旅立とうとしている。この響きにおいて良い印象を抱かない人間が僕以外にもいるだろう。それは不安定、崩壊、知らなかった支援の形を認知し、日々という秩序の保持に割かれる労力を実感する事になる。


前回夢について書いたが今回も夢について書こうと思う。といっても先のものとは別になるが。
前回のあれは酷かった。起きて泣いた。無力だったなぁ僕。


僕は電車に乗っていた。向かいの席には鞄を抱え眠る会社員とスマートフォンの画面に顔が吸い取られているOLがいて、僕はそれをスケッチで描いている最中だったようだ。窓の景色は青緑で残虐的に、鮭の群れが泳いでいる。人工衛星の漂流物が電車の屋根に当たり鈍く車内が揺らぎ唸る。そんな中僕は生暖かい風をアキレス腱辺りに感じていた。春、その陽そのものが灯りだった。


隣の席に座っていた子供が僕に薄いプラスチックに包装された蛙の形をした棒付きのチョコレートをくれたので僕はそれを食べながら会社員の顔を描いていた。電車はどこかに向かっているのだが、電光掲示板に何が書いてあったか残念ながら思い出せない。一度隣の子供がジュースを買いに電車の2階に上がった為しばらく僕は彼等と無言の対話を行っていた。


OLは顔が完全に画面に吸い込まれている為、発話が出来ない。が、指はしきりに動いており何かしらの作業を行っているのは明白であった。僕は会社員を濃い青で縁取り淡い紫で彩ると筆を起き会社員を起こした。会社員は起きるとそのまま扉をすり抜け降車した。会社員は外に出ると鞄を羽根に踊り空へと消えた。僕はそれを写真に納めOLに見せたのだがスマートフォンが邪魔で見えないようで、必死に首を傾げていた。僕はそれを見て、おかしくて笑ってしまった。そのOLと二人で抹茶のラテを飲んだ。味はしなかった。僕が描いた絵を彼女に見せるとスマートフォンでそれを撮影したらしく、そこで初めて撮影をすれば見られる事に気が付いたらしく反応をしていた。楽しそうだった。