車窓の中で跳ねる五線譜

僕が脳裏を表にして書くブログです。難しい文体でごめんなさい。

論影

僕達の存在が気になる人間の為に、この記事を用意した。
僕の脳内で、僕達がどう動いているのか。これは嘘か真か、他には判別できない思考の世界、そこに生きる僕、その人である。

1月15日、水曜日。天気、雨のち曇り。風は冷たく目の潤いを奪う。手先は鈍り、その厳しさに肌が悶え縮こまっている。

僕A「寒い」
僕B「寒いな」
僕C「そうやってスマートフォンいじって手先冷やしてるからだろ?」
僕A「惰性でスマートフォンを触るのは多いけど、これは別にそれじゃない」
僕C「あっそ」
僕B「急に冷たいな」
僕C「何か聴くのめんどくせぇし」
僕A「はいはい」

1月15日、水曜日。天気、雨のち曇り。屋内は暖房が効いており暖かい。気流のせいかカーテンが微かに揺れる。心地好いが息苦しい。換気をすればこの空間は溶けてしまうだろう。

僕D「じゃあ心ないあの言葉をどうしろと」
僕A「いや、あれはそういうつもりじゃないよ」
僕C「賛同しかねる。あの言葉に悪気はあるだろ」
僕B「待って待って、状況を整理しよう」
僕A「ここは言わせて貰うが、僕が可愛いを理解出来ずに、それでいてそう言う事を意図的に避けていると、そう相手があらかじめ知っていてその上で僕に言ったと」
僕D「そこまでは言ってない」
僕C「そうなのか?そこまで言ってるように思えたが」
僕D「お前(C)はどっちの味方なんだ」
僕C「もちろん君(D)さ。でも、俺は君(D)がそこまで言ってるように思えた。俺はそうは思わないよ?悪気を持って、あいつは俺達に自分が可愛いか問いかけた。それだけだ」
僕A「ひねくれ過ぎだ。話にならない」
僕B「そんなに相手が考えて発言してると思うか?皆持論を持ち込むのはいいが相手に押し付けるのはやめろ。今現在、相手が考えて発言しているって前提で話してるけど、そうじゃないだろ。僕達とは違う」
僕D「分かった。言い分は分かったよ。で?俺はそうは言ってない。心なく、俺達に試練を与えた。良いか?心なくだ。お前(B)の言う通り、考えもなく、あいつは俺達を傷付けた」
僕A「違う!やめだ。もうやめよう。あの子を独断と偏見で悪く言うのは良くない」
僕C「賛成」
僕D「賛成」
僕E「僕達に気があって聞いたんじゃないの?」
僕B「頼むから、話を、こじらせないでくれ」

1月15日、水曜日。天気、雨のち曇り。電車の暖房はデタラメだが、効果的だ。立ち上る疲れが蕩けて眠気に変わる。仲間達との話は、他愛もない話とは言い難く、僕達を論議に持ち込んだ。

僕A「心の入れ換えか……」
僕B「少し悲しいまであるね。その言葉は」
僕D「実際俺達は入れ替えてばかりだからな」
僕C「そうなのか?」
僕B「いや良く考えてみろよ。おかしいだろこの状況。僕達が話す事自体、僕達の存在自体がさ」
僕D「存在否定はやめろ。規律違反だ」
僕B「違うそういう意味じゃない。解釈が間違うのは無理ないけど、違う。つまり、だから、あの人達にはON/OFFを切り替えるレバーが存在していて、僕達には個別で押しボタン式のスイッチが乱立している。機構が違うんだよ!悲しいけど、構造が違うんだ」
僕C「そりゃ悲しい。やっぱり、俺達が生まれたのは間違いか?」
僕D「いいや。むしろ奇跡だ。俺達が俺達を安定させている。素晴らしいと思わないか」
僕A「思わないね。僕達は僕達。好きに僕なだけさ」